技術系食欲爆発人類の神経回路

技術的なことから日常生活のことまで色々

緋色に近い何か

朝になった。  

真っ先に愛する人のことを考えた。  

泣いてなどいられない。  

すぐさま人を外に誘った。

 

待ち合わせまでの時間、日比谷野音の音漏れを聴いた。  

2年半ぶりの感覚に、体は震え上がった。血が沸いた。  

手放してしまった時間を、今日は取り戻すのだ。  

 

桜が咲いていた。  

そろそろ待ち合わせの時間だ。

f:id:liangpi:20220327230820j:image

 

人と食べる甘いものはいい。  

気を紛らわせてくれる。
f:id:liangpi:20220327230616j:image

今日は乗り切れる。そう思った。  

 

野音だ。


f:id:liangpi:20220327230921j:image
  

赤い。あまりにも赤い。  

長い時を経て帰ってきたこちらの世界。  

今日この日にGEZANと向き合うのは、何かの奇跡だろうか。  

赤い。  

 

大地を震わす低音、体に突き刺さり脳天まで炸裂するファズ。  

帰ってきたのだ。  

 

あまりにも赤い。  

赤すぎて、赤い。  

破壊的な音に乗せられて届く歌詞が優しい。  

誰かを思い出す。  

気付いたら僕は泣いていた。  

昨日堪えた分だろうか。  

他に泣いている人などいないだろう。  

あまりにも止まらない。  

今ここに立っていること、歌詞を聞いて誰かを思い出せること、感謝できること。  

ああ、ここは始まりだけど、終わってしまったものがあるんだ。実感が止まない。    


f:id:liangpi:20220327231651j:image

素晴らしいステージだった。  

生きていたいと思った。生きていなきゃと思った。  

この場のこの感覚を誰かに共有したいと思った。  

誰かがいないとダメなのかもしれないと思った。    

それでも僕は結局独りなのだ。  

心の奥底を見せられる相手は、みんないなくなってしまったのだ。  

辛くてしょうがない。    

大丈夫。きっとそれでも大丈夫。  

確かな自信をもらった。輝いて輝いて、撃ち勝てばよいだけなのだ。  

今は泣いてもよいのだ。時が経つのを待つのだ。  

前向きな気持ちで泣いている。わかっているから大丈夫。  

この愛も、記憶も、いつか完全なプラスになる時が来るのだ。  

時が経つのを待つしかない。 

頑張れ僕。もらった言葉を無駄にするな。  

僕は確かに、前進した。  

 

 

 

どうしても忘れない記憶よりも
どうしても忘れたくない記憶の方が多いから
今日もオレらの勝ちなんだ